旦那さんが区長役に当たると、もれなく奥さんも数回のお接待が待っています。その中でも、やっぱり一番大変なのが村のお祭りの接待です。
何せ、このお役は「選ばれし者だけだけが担うもの」ですから。(笑)
やった人にしかこの大変さは分かりません。全くの未知だと不安も多いと思うので、少しでも当日の流れや雰囲気が伝わるようにまとめてみました。
奥様奮闘の舞台裏‼️瀧尾神社秋祭りお接待
秋祭りはコロナ禍を経て、実に4年ぶりの開催となりました。
夫が村の区長を務めていたこの2年間(2023年度、2024年度)、宵宮では20人、本宮では60人以上もの来客があり、準備から片付けまで本当に怒涛の日々でした。(人数はあくまで予定です。旦那さんの付き合い具合によっては最終的に+10名ほど増えるかも。)
リサーチ期間迄を合わせ、だいたい10日前には準備を始めておきましょう。普段、これほど多くのお客様を迎える経験はありません。後任の方のためと、私自身の振り返りとして「お接待の記録」を残しています。

地域をつなぐ“おもてなし”の舞台裏
最初に任期を終えた区長の奥さまに相談し、以下を目安に食事を準備しました。
- 宵宮:20人分 (オードブル、焼き鳥、お寿司、副菜、サラダ etc)
- 本宮:60人分 (オードブル、焼き鳥、お寿司、つまみ、他デザート(別になくてもOKよ) etc
- ビール、酎ハイ、ジュース、お茶、ポカリ、エナジードリンク
- ※日本酒(冷酒)
※何度も書いていますが、必ずしもオードブルは人数分そろえる必要はないし、メニューも各家庭の予算に合わせれば良いかと思います。

himetei料理が得意な人は全部手作りで楽しめると思うけど、私はラクしてオードブル作戦にしました。
地域のお祭りでは飲食店も多忙なため、早めにオードブルを注文できるお店を探すことが大切だと痛感しました。可能であれば、配達してくれると嬉しいですが、少ないので取りに行くのを前提にリサーチをおすすめします。
お店が決まったら、まずは必要な数を仮予約しておきましょう。
そして、一週間前には必ずお店に確認の連絡を入れ、最終的な台数を伝えます。
やり取りは口頭だけでなく、メモや書面に残すのがおすすめです。
(繁忙期は注文が混み合うため、行き違いを防ぎ、お店への配慮にもなります。)
補足の料理は家庭で作成。今回も頼りになったのが ホットクック!
煮物をどっさり仕込めたのは本当に助かりました。
炊飯器・洗濯機・テレビに続く“第4の必需品”といってもいいくらい。
新米主婦や子育てで忙しいお母さんにとって、これほど心強い味方はありません。
宵宮(前夜祭)
宵宮はあいにくの小雨の中で行われました。当初は村の什長の方々、20名ほどをお迎えする予定だったのですが、なぜか予想以上に人が集まり、最終的には30人ほどに。


1年目宵宮お接待
以外に時間かかるのが、料理の引き取り。
1年目のオードブルは、車で30分ほど走った先にある料理屋さんにお願いしました。焼き鳥は配達してもらうこともできましたが、帰りの時間が読めなかったので、結局自分で受け取りに。お寿司も合わせて引き取りに行ったので、往復で2時間近くかかりました。






この焼き鳥は、美味しゅうございました。私のおつまみに数本キープ♪



宴たけなわの途中で焼き鳥を温めて出しましたが、正直、スナック菓子でも十分だったかも?
皆さん酔ってるし、覚えてないし(笑)
スパゲッティを揚げて軽く塩を振ったものが、意外とウケたので、場つなぎにはポッキー(サラダ味)とかポテチなんかもアリだなと思いました。




煮物・煮魚(※煮魚は崩れる心配からか?売れ行きわるし…生姜たっぷり効かせてお美味しゅうできてたんだけどなあ…)
前任の区長の奥様が煮物を出されたと聞いて、「私も煮物を作らなくちゃ!」と気負っておったのですな。
でも実際には、自分なりのやり方で良かったんだなと気づきました。初めてのことだったので、つい前例に合わせなきゃと思い込んでいたんですよね。


2年目宵宮お接待








うちにジャガイモがゴロゴロあったからポテトは手作りにしましたが、手抜きしたいときは惣菜のポテトにリンゴを多めに混ぜるだけでも、お酒の口直しにちょうどいいんです。





2年目は器に工夫をば。
お重マジック、恐るべし! ただの寿司が、格式高くなったと思いません?
お寿司はね、前に担当されてたお家でも出してたって聞いたので、うちもそれにならって用意してみました。
やっぱりご飯ものがあると腹持ちもいいし、二日酔い防止にもなるしね。「最悪、いなり寿司くらいでも全然アリやん?」なんて思ったりしました。
※見た目も華やかなお寿司系で、予算を抑えたいときには、この時期に販売される小僧寿しのお得なセットが狙い目です。ただ、最近の小僧寿し(西脇店)は調理するスタッフによって当たり外れがあり、ご飯があまり美味しくないことも…。そんな時は、安定して美味しくいただけるスシローやくら寿司をおすすめします。
✨ひと工夫メモ✨
宴会場のそばにクーラーボックスを用意し、中にはビールやお茶を入れておきました。また、小さなテーブルに予備のコップやお箸、ふきんなどをあらかじめセッティング。
旦那様に「様子を見て出して。」と頼んでおくだけで、奥様が宴会に何度も出向く手間が減り、ぐっと楽になります。


来客時間と準備の目安:宵宮は19時前後を意識
宵宮の区長宅への来宅は、禰宜(ねぎ)のご祈祷の後、宵宮の「浦安の舞」や餅まき(開催年によって変動あり)が終わってからとなるため、だいたい19時前後になると予想されます。
この時間帯については、旦那様としっかり連絡を取り合っておきましょう。


我が家では、宵宮と本宮でオードブルの内容を変えました。しかし、宵宮に来られた什長の皆さんは、本宮では長床で「御當緒(おとう)」という世話役の接待を受け、幕の内弁当とお酒をすでに召し上がっているため、本宮では区長宅には来られません。
なので、宵宮、本宮とも同じお店からオードブルを頼んでも、『昨日と同じ』という印象にはならないのでご安心を。
※参考にまで:御當緒(おとう)組は、2つの隣保が協力して1年間、お宮の掃除や年末年始の飾り付けなどを行います。そしてお祭りで、御當緒の方々が長床で村の方々をお祝いの接待をし、その後、次の御當緒(おとう)組へと引き継がれます。
小さな村では、みんなで協力しながら村や伝統を守っています。大変だなぁと思うよりも、『ちょっと徳を積むつもりでやってみよう♪』くらいの気持ちで取り組むと、案外楽しめちゃうんです。
宴会のお開きサイン


締めは卵とじうどんにしました。前に什長の皆さんが来たときに出したら、「これ、美味しい!」って好評で、今回も「また食べたい!」ってリクエストがあったのです。
昆布で出汁をとって白だしで整えると、まるで料亭の味に。
ただし白だしは少し塩分強めなので、加減を見ながらどうぞ。
時間がないときは「東マルのうどんスープ」を使うのもおすすめ。手軽で間違いない美味しさです。
お酒飲めない方もいらっしゃたし、翌日の本宮もあるので程々に声かけてあげるのも親切です♪主人に「さあ!締めが来ました‼️」と叫んでもらいました。
これを出す事で「そろそろお開き」の合図となるので、帰りやすくなる工夫になりますよ。



豚汁とかお味噌汁でも良いですね。要は、締めで「お開き」のキッカケですから。
本宮(祭り当日)
さて、いよいよ本番です。


瀧尾神社の大太鼓練り回しや神輿行列が終わると、村を回りながら乗り子の家を回りながら、練り回しの休憩ポイントのお接待を受けます。
我が家はその最初の接待ポイント。なので料理がかぶる心配が少なかったのは助かりました。
幸い雨も止み、宮入のあと70名近くが来訪。
用意した料理は、
- オードブル・寿司・焼き物・菓子類
- 温かい豚汁(大鍋2つ+予備鍋1つ)1年目
小物類は、取り分けの紙皿と少しの紙コップがあれば。(男衆はあまり取り皿を使わず召し上がってたと記憶してます。)
お箸は、オードブルにたんと付いてくるかも。なので予備に100均の補充で大丈夫でしょう。
氷の準備もお忘れなく。牛乳パックで作る氷が一番扱いやすいですが、かなりの量が必要になります。もし牛乳パックがご家庭で用意できない場合は、メルカリなどで購入するのも一案ですよ。



ご近所にお願いして協力してもらうのも一案ですが、持ってきていただいた時の対応にもそれなりに体力を使うので、我が家では眠っていた大型冷凍庫を再稼働させました。
ところが、ここでまたひとつ失敗が…。1年目はビニール袋を二重にして重ねて冷凍していたため、凍るのが遅いうえに、取り出すときにくっついてしまい、かなり苦労しました。やはり牛乳パックで作るのが一番便利です。


本宮のお祭り当日の流れ
12時に宮入りを終えたあと休憩を挟み、太鼓が下向したら、第一ポイントの区長宅へ向かいます。お天気にもよりますが、15時前後来宅を予想して飲み物を冷やしたり、配膳を用意しましょう。
隠し味は愛情?心ほぐれるお接待メニュー
本宮では、中華のオードブルを用意しました。
こちらのお店はお祭りの対応にも慣れていらして、普段はお店で提供されている八宝菜を、今回はつまみやすい一品にアレンジしてくださいました。




「とりよし」は炭火焼きで美味しい♪





デザートなんて、別になくても大丈夫。
…のはずだったんですが。
気づけば台所でせっせと作ってる私。(笑)
オードブルやご飯系(お寿司)は、太鼓の後について回るギャラリーのちびっこたちにも「どうぞ〜!」とおすそ分け。
二年目はだいぶ減って、いい感じにはけました。
ただ…お神輿を担いだあとは疲れすぎて食事が喉を通らず、水分の多いフルーツくらいしか口にできない、という話も聞きました。そんな理由から、第一ポイントでは区長宅で丁寧にお接待をするようにしているらしいです。
…たぶん🤔
ただ、我が家で用意したご飯ものは少し余ってしまいました。
そのため、写真の量の半分くらいでちょうど良さそうです。
来客は60〜70名ほどになる予定ですから、料理を並べる縁台は3台ほどあれば余裕です。人数に合わせて、バランスよく分けて盛り付けると良いと思います。
1軒に3台もあることは少ないので、縁台が足りない場合は、事前にご近所へ声をかけて借りておきましょう。



縁台が足りなくても、そこはまぁ臨機応変に!
担ぎ手の男衆はお祭り慣れしてるので、自分たちで動いて楽しんでくれますよ。
※乗り子も男衆にまぜって食事をしていました。
乗り子用のお菓子
乗り子用のお菓子は、うちではこの画像の半分くらいだったかな??。
いや…まあ、こんなもんでしょうか。
だって、他のおうちでもたっぷりもらえるしね。
乗り子の人数は、ご主人に確認しておきましょう。我が家の来宅時は5人でした。


豚汁、家庭史上最高の味に!
1年目は、豚汁も作って出しました。
本宮の日はあいにく小雨がパラパラの予想。すると旦那が前日‼️急に「温かい汁物を出すように!」と指令を出してきたので、張り切って作った次第です。(毎度、指令がくるのは直前なので、食材は予想して購入していたのが幸いしました。)
豚汁は出汁と野菜を贅沢に使った甲斐あって大好評。これまで作った中で一番美味しく仕上がったと思います。


豚汁は鍋2つ、予備に小鍋1つで用意しました。
ちなみに、この鍋の味は最高!
これほど出汁が美味しいものは、これまでに作ったことがありません。野菜とお揚げの旨みだけで、ここまで深い味になるとは驚きでした。
しかし、ここでも予想外の出来事が…。
汁を増やすために2つに分けたところ、味の深みが少し変わってしまったのです。せっかく最高の味に満足していたのに…。
なんてこった(//∇//)


急いで昆布とだしパックを買い足し、なんとか味を整えることができました。
🌸1年目のお接待で反省したこと


はじめてのお接待。気合いは十分だったけれど、いざ終わってみると「あぁ、ここは工夫できたな…」と思うことがいくつかありました。
飲み物の選び方
ついついビールを多めに買いすぎてしまいました。
でも実際は、若い世代にはチューハイや低アルコール系の方が人気。
「ほろよい」なんかは特に手が伸びてましたね。エナジードリンクとかも。
料理の内容
腕によりをかけて作った料理も、煮魚のように骨が多くて食べにくいものは残ってしまうことも…。
温かい料理や汁物があると喜ばれるんだなと実感しました。
でも、宴も3時間もたつと正直わちゃわちゃ状態💦
「もうスナック菓子やスルメ、ウィンナーに辛子ケチャップかけたやつでも十分だったんじゃ…?」なんて、思っちゃいました。
氷の準備
大きな冷凍庫があるから安心、と思っていたのが盲点でした。ビニール袋を二重にして大量に作ったものの、うまく固まらなかったり、くっついて取り出せなかったりと、結局は四苦八苦することに。
牛乳パックで作るのがベストですが、それでも家庭で大量の氷を用意するのは、地味に面倒な作業です。
記録の大切さ
一年目は忙しすぎて、本宮のお料理写真を一枚もなく…撮り忘れちゃいました💦
なので二年目は「これは絶対残しておこう!」と気合を入れて、しっかり写真を撮っています📸
🌸反省点をふまえて迎えた2年目。
そして何より、ちゃんと📷記録も残せました。OK、ばっちりです!!
圧巻の迫力!瀧尾神社の大太鼓


瀧尾神社の大太鼓の練りまわし、これ、もう見ているだけで胸が高鳴ります!
迫力満点の太鼓は、なんと70人もの担ぎ手が力を合わせて動かすほどの大きさ。
一人ひとりの息遣いと太鼓の振動が体に響いて、見ているだけでワクワクが止まりません!
迫力満点の瀧尾神社の神輿の神事が無事に終わると、村を巡りながら各家庭のお接待が始まります。
我が家はその最初のポイント。
おかげで、料理が他の家庭と重なる心配もなく、ちょっと安心でした。
小雨がぱらつく予想でしたが、本宮では幸運なことに雨も止み、青空の下、本当に素晴らしい一日となりました。


お天気にもよりますが、本宮の太鼓の担ぎ手は、だいたい15時前後に来られる予想です。飲み物を冷やしたり、配膳の準備をしておきましょう。
玄関まえで家人が出迎え「祝いの声」をあげます。




宴たけなわ♪






12時に宮入り→休憩 →太鼓下向→区長宅に。
お天気にもよりますが、15時前後来宅を予想して飲み物を冷やしたり、配膳を用意しましょう。



ゴミ箱の設置をお忘れなく。
ほどほどのお時間で声がかかり、次のポイントへ移動されます。
あとは、自分のペースでお片付け。
太鼓台、蔵に入れる:来年度もよろしく




二日間のお祭りも無事終わりました。
村の皆様や太鼓保存会の皆さんの協力のおかげで、素晴らしい秋祭りが開催されました。
秋の豊作を祈り、伝統を維持する重要性。この大切な儀式を通じて、私たちは過去からの叡智を尊重し、未来への希望を共有し続けるのです。


あとがき
二年目のお接待も無事に終わり、こうして振り返ると、やはりおもてなしは心からということを改めて感じます。
とはいえ、一人の主婦が受け持つには、正直キャパを超えました…。
(準備だけじゃなく、お片付けもセットでついてくるしね(*_*;)



誰かに手伝ってもらう手もありますが、気を使う上に、その方も同じように体を酷使することになるので、結局は一人で挑むことにしました。
オードブルだから料理しなくていいし、余裕でしょ!って思ったあなた。
じゃあ一回やってみなって!
当日はアドレナリン放出で乗り切れましたが、翌日はもう、ベッドから起き上がるのがやっと。リポビタン2本のみ!!(笑)
本当にすっきり回復したのは一週間後💦
さて、来年は後任の方がお接待を担当されます。
正直、「うわぁ…これはかなりのプレッシャーだ!」と思っておられるでしょう。
それでもきっと、心を込めた歓迎の気持ちは形以上に伝わるはずです。
どうか気負いすぎずに、肩の力を抜いて。
おもてなしは豪華さよりも「気持ち」が一番大切ですから。
大変さの中にも、笑顔や達成感がきっと残りますよ。
追記
3年目(2025年)の今年は、瀧尾神社をお祀りする「御當緒(おとう)」という世話役が隣保当番でした。動くのは主に男性陣で、女性は細々な準備や片付けが中心。それでもなかなか気を遣うものです。
まとめ
瀧尾神社の秋祭りは、ただの神事ではなく、地域みんなの心がひとつになる大切な行事です。
太鼓の響きや、神輿を担ぐ人々の姿、きらびやかに飾られた大太鼓。そのすべてが、地域の誇りと絆を感じさせてくれます。
祭りの力って、やっぱりすごい。人と人をつなぎ、心を温めてくれる時間です。
20251015※73
自分へのご褒美もお忘れなく
これは大事ですよー。
ウチの旦那さん、感謝のひと言もナシだったので…仕方なく自分用に大型テレビをポチりました。ええ…♪完全に自分の部屋専用です(笑)。


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