今回のヘッドホン選びでは、気になる5機種を自宅に取り寄せて比較しました。店頭の試聴だけでは分からない部分が多いと感じているからです。
自分の部屋で、普段聴いている音楽を使い、納得いくまで聴き比べる。そうして初めて、「これだ」と思える一台に出会える気がしています。
長年ピアノを弾き、管弦楽にも親しんできた私にとって、音へのこだわりは人一倍強いほうだと思います。倍音の広がり方、低音の輪郭、ピアノの鍵盤ひとつひとつの粒立ち。そういう細部が気になる耳で、5機種を聴き比べた結果として選んだのが、SONY WH-1000XM4でした。
購入にあたって最新モデルのWH-1000XM5とも比較検討したので、スペックの違いも合わせてまとめてみました

音質にこだわって選んだ——SONY WH-1000XM4を選んだ理由
最新モデルのXM5も候補にありました。ただ、デザインの好みと、実際に店頭で試聴した印象、そして各種レビューを読み込んだ結果として、ひとつ前のXM4を選択。
結論から言うと、「音楽を聴くことが主な目的なら、XM4は今も十分すぎる実力を持っている」から。
クラシックやジャズのような音場の広さと繊細さが問われる音楽でも、XM4の表現力はしっかり応えてくれる。低音の厚みと中高音の解像感のバランスが良く、長時間聴いても疲れない音作りだと感じました。

Spotifyで音楽を流した瞬間 感動で…。
(具体的な音質の感想は後半に詳しく書きました。)
XM4にたどり着くまで——5機種を自宅で聴き比べた
比較したのは以下の5機種。すべて自宅に取り寄せ、同じ環境・同じ音源で聴き比べてみましたえ。
- SONY WH-CH510(ワイヤレス・密閉型)
- Anker Soundcore Q30i (ワイヤレス )(有線・密閉型)
- Audio-Technica ATH-AD500X(有線・開放型)※購入・長期使用済み
- SONY WH-1000XM4(ワイヤレス・密閉型)
- パイオニア SE-M531 ヘッドホン 密閉型/オーバーイヤー
開放型・密閉型、有線・ワイヤレス、価格帯もミドルクラスからハイエンドまで幅広くお試し。その中でワイヤレス+ノイズキャンセリング+音質の三拍子が揃っていたのがXM4だったのです。
なお、ATH-AD500Xはもともと愛用していた一台。開放型ならではの自然な音場が気に入っているのですが、仕事でBluetooth対応が必要になったことが、今回の追加買いのきっかけになったわけです。

まずWH-CH510を購入したのですが、装着感がきつく長時間の使用には向きませんでした。。ATH-AD500Xの柔らかいフィット感に慣れた耳(と頭)には、締め付けがきつすぎました。




SONYの音を知ってしまったら、もう引き返せない。
WH-CH510はメルカリで手放し、上位モデルを本格的に探し始めることに。
WH-1000XM4 vs WH-1000XM5:スペック比較
ます。まずは、店頭での試聴と公式スペックの両面から比較した。(スペックは購入当時の公式情報をもとにしてい)
| WH-1000XM4 | WH-1000XM5 | |
| 発売日 | 2020.9.4 | 2022.5.27 |
| ソニーストア価格 | 48,400円 | 59,400円 |
| ノイズキャン セリング性能 | マイク4つ | マイク8つ・風ノイズ低減機構 |
| 外音取り込み | ★4 | ★5 |
| ハイレゾ対応 | 有線接続対応 | 有線接続対応 |
| ハイレゾワイヤレス | LDAC対応 | LDAC対応 |
| アップスケーリング | DSEE Extreme | DSEE Extreme |
| 通話品質 | マイク2つ ※ビームフォーミングによるボイスピックアップ | マイク4つ ※ビームフォーミング+AIによるボイスピックアップ |
| 最大バッテリー駆動時間 (音楽再生時) | 最大30時間(NC ON) 最大38時間(NC OFF) | 最大30時間(NC ON) 最大40時間(NC OFF) |
| 高速充電 | 10分で5時間(クイック充電) | 3分で1時間(クイック充電) 3分で3時間(USB PD充電) |
| ドライバーユニット | 40mm | 30mm |
| 再生周波数帯域(有線) | 4〜40,000 Hz | 4〜40,000 Hz |
| 本体質量 | 200g | 250g |
| Bluetooth通信 | ver.5.0 | ver.5.2 |
| 対応コーデック | SBC / AAC / LDAC | SBC / AAC / LDAC |
| 有線接続 | ステレオミニ端子 | ステレオミニ端子 |
| NFC※1 | 搭載 | 非搭載 |
| 折りたたみ形状 | スイーベル&折りたたみ※2 | 折りたたみのみ |
| マルチデバイス切替 | マルチポイント接続 | マルチポイント接続 (アプリで有線接続設定) |
| 付属ケース | 付属 | キャリングケース(折り畳み) |
| 航空機用プラグアダプター | 付属 | なし |
※ビームフォーミングとは、複数のマイクを使って音声の方向を絞り込み、周囲の騒音や反響を抑えてクリアな音声を拾う技術。通話品質や音声認識の精度向上に使われる。
※1 NFCはデバイスをヘッドホンに近づけるだけでペアリングできる機能。XM4には搭載されているが、XM5では省略されています。
※2 スイーベルとはイヤーカップが回転する機構のこと。フィット感の微調整がしやすく、持ち運び時のコンパクト収納にも役立ちます。



音楽鑑賞がメインの用途なら、XM4とXM5の音質差は実用上ほぼ気にならないレベル。ノイズキャンセリング性能や通話品質を重視するならXM5、コストパフォーマンスと音楽への純粋な没入感を優先するならXM4という選び方になるでしょう。
両モデル共通で搭載されているSONY独自の「DSEE Extreme」は、圧縮音源をAIで解析・補完してハイレゾに近い音質で再生する技術。ストリーミングサービスを使う場合でも、音楽の細部の情報量が格段に上がる。
XM4のドライバーユニットは40mm(XM5は30mm)。ドライバーが大きいほど低音の再生に余裕が生まれやすく、これも私がXM4を選んだ理由のひとつなのです。
実際に聴いてみた:クラシック音楽での音質レビュー
届いた日、最初に流したのはパッヘルベルのカノン。
弦楽器の各パートがきちんと分離して聴こえ、重なり合いながらも輪郭がぼやけない。ピアノを弾く人間として、音の立体的な構造が見えるような感覚は、素直に驚いた。
続いてラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」。ピアノの鍵盤の粒立ちがクリアで、一音ごとのアタックとペダルの余韻が自然に再現されていた。圧縮音源特有の「のっぺり感」がなく、ホールで聴いているような空気感がありました。
3曲目は、反田恭平氏が演奏するラフマニノフ「ピアノ協奏曲第2番」。オーケストラとピアノの対話が、音場の広さの中でしっかり展開された。管弦楽の低音域の厚みがXM4の持ち味をよく引き出していて、音楽の構造ごとのみ込まれるような体験でした。
ノイズキャンセリングで外音を遮断しながらこの解像感で聴けるのは、クラシックや生楽器中心の音楽が好きな人にとって特に刺さると思う。
音質の特徴:3つのポイント
①中高音域のクリアさ
ボーカルや弦楽器、ピアノの高音部が鮮明。音が混濁しないので、複数の楽器が重なる曲でも聴き疲れしにくい。
②低音の量感と輪郭
迫力はあるが、もたつかない。重低音が強調されすぎず、音楽全体のバランスを崩さない程度に効いている。
③サウンドステージの広さ
密閉型でありながら、音が頭の中で鳴っている感じが少ない。左右・前後の広がりを感じやすく、クラシックやジャズに向いている。
重低音特化モデルとの聴き比べ
比較として、重低音が売りのモデルも試聴しました。低音の迫力は確かに印象的でしたが、高音域の情報量が落ちる印象があり、クラシックや弦楽器中心の音楽には向かないと感じました。ロックやEDMが中心なら選択肢に入るでしょうね。



低音重視のジャンルを主に聴くなら、重低音特化モデルも検討してみてほしい。
機能面:使い込んでわかったこと
WH-1000XM4はノイズキャンセリングだけでなく、日常の使い勝手を上げる機能も充実しています。
特に便利なのが、周囲の環境をAIが自動認識してノイズキャンセリングの強度を最適化する「アダプティブサウンドコントロール」。電車の中、カフェ、自宅——場所に応じて設定を変えなくてもいいのはgood ♪イヤーカップへのタッチ操作で再生・停止・曲送りも直感的にできます。
WH-1000XM4を使いこなすために
初期設定から応用機能まで、SONY公式のハウツーガイドが充実している。購入後はここを一通り読むことをオススメ。


NCオプティマイザー:装着状態に合わせてノイズキャンセリングを最適化
顔の形・髪型・眼鏡の有無、気圧の変化(機内など)に応じて、ノイズキャンセリング性能を自動で最適な状態に調整してくれる機能。
使い方は、CUSTOMボタンを「最適化を開始」の音声ガイドが流れるまで約2秒間長押し。テスト音が流れた後、「最適化を完了」の音声で完了。





アプリと組み合わせると、さらに細かく音をコントロールできる。設定を追い込んでいく過程も楽しいよ。
開封レビュー
梱包から丁寧さが伝わってきました。高価格帯の製品らしい開封体験です。


外箱の中にさらに内箱。この二重構造からして、作り手の丁寧さが出ていますね。






収納台紙も付属していて、ケースへの収め方が一目でわかる。こういう細部の配慮はさすが!


同梱物は本体、USB-A to Type-Cケーブル、3.5mmステレオケーブル、航空機用プラグアダプター。旅行や出張での使用も想定されている構成。


Bluetooth非搭載のデスクトップPCで使う方法
デスクトップPCはBluetooth非搭載のケースが多い。その場合は「Bluetooth USBアダプタ」をUSBポートに差すだけで対応できますよ。ドライバ不要で認識されるものが多く、導入のハードルは低いです。
接続と初期設定
iPhoneやiPadとの接続は、設定アプリのBluetooth画面を開くだけで自動検索される。初回のペアリングも迷う手順はありませんでした。
DSEE Extreme(高音域補完)の設定
「DSEE Extreme」は圧縮音源をAIで解析・アップスケールする機能。ストリーミングサービスの音源でもハイレゾに近い自然な音質で聴ける。技術の詳細はSONY公式サイトに詳しい。


Sony | Headphones Connect アプリ
専用アプリ「Headphones Connect」を使うと、イコライザー・ノイズキャンセリングの強度・外音取り込みのバランスなど、細かい音の調整ができる。スマートフォンに入れておくと、使い方の幅が大きく広がる。


「Sony | Headphones Connect」ヘルプガイドはこちら
まとめ
ヘッドホンは価格帯が幅広く、スペックが近くても実際の音の印象は製品によってかなり違う。低音の量感、音の透明度、サウンドステージの広さ——数値では伝わらない部分が、実際の満足度を決めるのではないでしょうか。
5機種を自宅で聴き比べ、音にこだわって選んだ結果がWH-1000XM4でした。特に、クラシック・ジャズ・アコースティック系の音楽をよく聴く人には自信を持っておすすめできます。
一度その音を聴いてみてほしい。
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