※ 本記事は2017年7月の記事をリライトしました。
ピアノの調律、みなさんはどのくらいの頻度でされていますか?
我が家では十数年前から、西脇市にお住まいの調律師・岡本芳雄さんにお世話になっています。岡本さんは作業を始める前に必ずこう言うんです。
「よ~し!いい音にしますよ~♪」
この一言だけで、こちらまで嬉しくなってしまいます。単に「調律をする人」ではなく、ピアノと真剣に向き合う人なんだな、とすぐにわかる。
調律だけじゃない。岡本さんの仕事の全貌
「調律師」という仕事を、「音程を合わせる人」とだけ思っていたら、それは少し足りない認識かもしれません。
調律師の仕事は、大きく3つに分かれています。
- 調律:音の高さ(音程)を正しく整える、文字通りの基本作業
- 整調:鍵盤のタッチや、ハンマーの動きを最適な状態に整備する
- 整音:演奏者のイメージに合わせて、音色そのものを繊細に調整する
特に「整音」は、ハンマーフェルトの状態を均一にならし、音量と音色のバランスを整える高度な作業です。これができる調律師は、実はそう多くありません。
岡本さんはさらに、これらに加えて「弦磨き」もされます。長年使ってきたピアノの弦についた錆や汚れをていねいに磨くことで、音の輝きが戻ってくる。この作業こそが、岡本さんの仕事を特別なものにしている理由のひとつです。
工業製品を「工芸品」に!
岡本さんがよく使う言葉があります。「工業製品を工芸品に」。
量産されたピアノも、手をかけることで唯一無二の音を持つ楽器になる。その哲学が、すべての作業ににじみ出ています。
以前、弦磨きから調律・整調・整音まで、一連の作業を動画に記録させていただきました。作業時間はAM10:00からPM7:00まで、ほぼ丸一日。それほどの手間と時間をかけて、岡本さんはピアノと向き合います。
【動画】ピアノの弦を磨く作業の記録(2017年)
映像を見ていると、これが「日常のピアノ調律」とはまったく別次元の作業だとわかります。地道で、根気のいる仕事。それを岡本さんは「日々の精進」と言って笑います。
(※余談ですが、この動画は当時私が「thorough-web」という屋号で活動していたころの仕事のひとつです。)
調律後のピアノは、別の楽器みたいだった
正直に言います。最初はここまで変わるとは思っていませんでした。
弾いた瞬間、音が「崇高」になっていた。響きに厚みが出て、高音の輝きが増して、低音の締まりが違う。同じ鍵盤を押しているはずなのに、音楽になり方が変わっている、という感覚です。
ピアノを弾く方には、ぜひ一度体験していただきたい。きっとご自宅のピアノも、変わりますよ。
調律されたピアノで弾きたい曲を探しているなら、こんな記事も書いています。

岡本さんのこと、もう少し
岡本さんは西脇市にお住まいですが、活動範囲は近隣にとどまりません。遠方にも足を運ばれていて、私が師事している大竹先生のピアノ調律も岡本さんが担当されています。
さらに驚いたのは、船上のピアノの調律も任されていること。クルーズ船などに搭載されたピアノのメンテナンスは、特殊な環境条件への対応が求められる難しい仕事です。それを任されているというだけで、この方の技術と信頼の厚さが伝わってきます。
いつか、どこかのテレビ番組がこの方の仕事を取り上げてくれないかな…と密かに思っています。
(有)岡本ピアノ工房 ご連絡先
住所:兵庫県西脇市西脇57番地
電話:090-8984-3434(8:30〜21:00 年中無休)/0795-22-2434
HP:http://okamotopiano.jp
料金はピアノの状態や作業内容によって異なります。参考までに抜粋しています。(2026年5月現在)
- コンディションが安定したピアノ:¥15,000/2時間(税別)
- 初めてのご依頼・長期未調律のピアノ:¥21,000/3.5時間(税別)※調律+鍵盤分解掃除・弦磨き・アクション調整など必須作業込み
- 1日がかりのフルメンテナンス:¥36,000/6.5時間(税別)※調律・整調・整音・修理まで。とても喜ばれているコースだそうです
出張費は1時間以内でお伺いできる場合は無料。詳細は公式サイトでご確認ください。
おまけ:「プロフェッショナル 仕事の流儀」風の動画も作りました
岡本さんに来ていただいた日、ちょうど試してみたかったNHKのアプリ「プロフェッショナル 私の流儀」のモデルもお願いしました。岡本さんをプロフェッショナルとして紹介する、お遊び動画です。
このアプリは残念ながら2017年12月末にサービス終了していますが、動画は今も残っています。岡本さんの仕事ぶりが、なんとも様になっていませんか?
ちなみに、ピアノの楽譜を整理するのに愛用しているノートもあります。ピアノ好きの方にはこちらも参考になるかもしれません。

あとがき
自宅のピアノを調律してもらった日に動画を撮り、それをまとめてYouTubeに上げました。調律の記録として残しておきたかった、というのが正直な動機です。
ピアノ弾きにとって、調律師との出会いは楽器との関係を大きく変えます。同じピアノが、こんなにも変わるんだ、という驚きを、少しでも多くの方に知っていただけたら嬉しいです。


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