※ 初出:2021年5月の記事をリライト。
岡山県赤磐市に、ちょっと変わったイタリアンレストランがある。店の名は「耕作イタリアン E-Flat(イーフラット)」。地元農家と二人三脚で、本物の地産地消を実践する店だ。
家から離れて就職した息子を訪ね、二人でふらりと立ち寄ったあの日のことは、今も鮮明に覚えている。前菜の一口目で、思わず声に出してしまった。「おいしい…」。隣に座っていた息子も同じ顔をしていた。
この記事では、E-Flatの料理・雰囲気・アクセス情報を、訪問した体験をもとにお伝えする。ミシュランのグリーンスターを受賞した実力派の店が、なぜ赤磐の田んぼの真ん中にあるのか。その答えも料理の中にある。
耕作イタリアン E-Flat(イーフラット)とは?
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E-Flatは「耕作イタリアン」という、どこにも属さない独自のジャンルを掲げるレストラン。田畑を耕す農家と直接つながり、卵や乳製品を使わず、赤磐の野菜だけで料理を組み立てています。
規格外で流通に乗れない野菜も、ここでは主役になる。見た目が悪いだけで、甘みや栄養は落ちていない。むしろ、愛おしく調理してやることで旨味が増す…そうシェフは話してくれました。
ランチタイムには日替わりパスタ、ピザ、肉・魚料理が揃う。コースのように次々と料理が届くスタイルで、一品一品に農家の顔が見えるような、温かみのある食事でした
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ミシュランのグリーンスターを受賞した背景
私が訪れた後、E-Flatは「ミシュランガイド 2021」のグリーンスターを受賞している。グリーンスターとは、美食と持続可能性の両立に取り組むレストランに与えられる特別な星だ。「おいしいだけ」では取れない。
農家との密接な関係、規格外野菜の活用、乳製品を使わない調理——これらは流行りのSDGsに乗っかった話ではなく、シェフが長年かけて築き上げてきた哲学だと、食べながら感じました
シェフは料理の作り方をYouTubeで惜しみなく公開しています。「塩と野菜だけのかぼちゃのポタージュ」を見ると、食材への真剣な向き合い方が伝わってくる。
メニューには、使っている食材への敬愛が丁寧な言葉で記されていた。料理が出てくる前から、この店の姿勢が伝わってくる。
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実食レポ:息子と二人で頼んだランチコース
その日、息子と二人でE-Flatを訪れた。
社会人になった息子は初の自炊生活。大学時代はほぼ学食暮らし。家にいたころも自炊らしい自炊はしていなかった。
それがいまや、ホットクックなんてハイカラな調理器具を使いこなしているらしい。なんやかんやとちゃんとやってる…らしい。(たぶん)
初めてのボーナスで、そのホットクックを母の私にプレゼントしてくれました。もう5年になるが、いまも毎日使っております。

そんな息子と、久しぶりに二人でランチを。
カウンター席に案内され、調理場が目の前に見える特等席。
料理が届くたびに、小さな感動が積み重なっていった事を数年経った今でも思い出します。
前菜:野菜ってこんな顔もするのか?!と思った
まず前菜から度肝を抜かれた。野菜だけでここまで複雑な味が出るのか、という驚き。食感も旨味も、初めて出会うようなものだった。「野菜料理」という先入観を、一口で覆してくれる。

スープ:「塩だけで野菜の旨みを引き出す」の意味
スープが運ばれてきた瞬間、香りで笑顔になった。一口飲むと、野菜の甘さと旨みが口の中にじわっと広がる。

「おいしい…」と呟いていたら、シェフが仕事の合間に声をかけてくれた。「不恰好な野菜」「塩だけで旨みを引き出す」という話を、少しだけ聞かせてもらえた。
そして、キッチンからタッパーを取り出してトントンと粉のようなものを振りかけてくれた。バターを使わない代替調味料だと言っていた記憶がある。その一手間がまた、感嘆の声を引き出した。


パスタ:二種を選んで、二倍楽しむ
息子と二人だったので、パスタを二種類チョイスしてシェアした。どちらも野菜の存在感がしっかりあって、ソースと絡んだ瞬間に旨みがはじける感じ。イタリアンらしい力強さと、素材の優しさが共存していた。




一品一品のこだわりが伝わってくる、とても心に残るランチだった。「こんな優しい味のイタリアンを食べたのは初めてだ」と、帰り道に息子と話した記憶がある。

E-Flatが大切にしている「本当の地産地消」とは
「地産地消」という言葉は、いまや珍しくない。しかしE-Flatのそれは、少し意味合いが違う。農家と顔の見える関係を築き、規格外の野菜も含めて余すことなく使い切る。乳製品も卵も使わないのは、野菜そのものの力を引き出すためだ。


「不恰好な野菜を愛おしく調理することで、旨みが倍増する」——そう話してくれたシェフの言葉が、ずっと頭に残っている。食材を大切にするという姿勢が、料理の味に直結しているのだと、食べてみて初めて腑に落ちた。
イタリアンが好きな方はもちろん、地域の食材や農家の仕事に関心がある方にも、ぜひ一度足を運んでみてほしい店だ。
同じように「地域に根ざした食」の記事として、姫路市の隠れ家イタリアン「りべるた」の食レポも書いている。関西圏でイタリアンを探している方にも参考になれば。
→ 隠れ家創作イタリアン『りべるた』姫路市で見つけた穴場のイタリアンレストラン
E-Flat(イーフラット)店舗情報・アクセス
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| 店名 | 耕作イタリアン E-Flat(イーフラット) |
| 所在地 | 〒709-0821 岡山県赤磐市河本427-1 |
| 電話 | 086-954-4058 |
| 営業時間 | ランチ 11:30〜15:00 / ディナー 18:00〜21:00(金・土・日のみ) |
| 定休日 | 火曜日 |
| 公式サイト | e-flat-okayama.com |
| 予約 | 公式サイト予約ページ |
店内は明るく開放的で、カウンター席もある。一人でも気兼ねなく座れるのがうれしい。スタッフの方も丁寧で、料理のことを自然に話してくれる雰囲気だった。
予約はしておくほうが安心
ランチ帯でも混み合うことがある。とくにディナーは金・土・日のみの営業なので、事前に公式サイトから予約しておくのをおすすめする。
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まとめ:遠くても、また行きたいと思わせる店
E-Flatに行ったのは、息子と二人の特別な外食の日だった。帰り道、二人して「また来よう」と言い合った。遠いけれど、その価値がある。
野菜がこんなに豊かな表情を持っていることを、あの日初めて知った気がした。料理とは素材への敬意だ——そう感じさせてくれる店は、そうそうない。
岡山・兵庫方面へのドライブがてら、ぜひ立ち寄ってみてほしい。きっと、その一皿が記憶に残る。
息子にもらったホットクックは、あの日から5年、毎日台所に立っている。E-Flatで感じた「素材を活かす料理」という発見が、自分の台所にも少しずつ影響しているような気がしている。
ホットクックの使い方や感想はこちらに。

著者:秘亭(himetei)
兵庫県丹波市近郊在住。元情報誌スタッフ。Webライターとして取材・撮影・執筆を続けて15年。地元の食や暮らし、PC・カメラ・AIツールまで幅広くカバーするブログ「秘亭のネタ」を運営中。


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