会社辞めたい40代・50代が読んでおきたい『魂の退社』の正直な感想

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魂の退職

※ 本記事は2022年12月の記事をリライトしました。

「会社、辞めたい……」と思ったこと、一度や二度じゃないですよね。

私もかつて、質の低い人間関係に追い詰められた時期がありました。毎晩お地蔵様にお詣りに行くほど、追い詰められていたんです。そんなふうにぐったりしていた頃、偶然手に取ったのが「魂の退社」でした。

読み終えてから思ったこと。「退職を思いとどまるかもしれないし、背中を押されるかもしれない。」どちらに転ぶかは……あなた次第です。

目次

「魂の退社」ってどんな本?

著者の稲垣えみ子さんは、天下の朝日新聞でバリバリ働いてきた編集委員。そんな彼女が、50歳で早期退職してしまいます。

きっかけのひとつが、アフロヘアにしたこと(笑)。アフロにした途端なぜかモテ期が到来して、「自分、まだいけるやん!」となったのか……次の人生を決断されたのです。

ほんとは、もっと別の理由があったんじゃなかろうか?とお察しいたしますが…。

会社を辞める決断そのものは、案外シンプル。しかし、退職後の現実はなかなかシビアでした。

フリーランスになる前に知っておきたいお金の話

稲垣さんが本の中で正直に書いているのが、退職後に直面したお金まわりのこと。フリーランス歴有りの私から見ると「あ〜!わかる!」と思う話がたくさん出てきます。

たとえば、こんなことを知らずに退職してしまったそうです。

  • 退職金には税金がかかる(ただし「退職所得控除」があるため、勤続年数が長いほど税負担は軽くなります)
  • 社会保険から国民健康保険へ切り替えが必要(退職の翌日から資格喪失。14日以内に役所で手続きを)
  • フリーランスになると失業保険は受け取れない(失業保険は「次の就職先を探す人」が対象。独立する場合は対象外です)
  • クレジットカードの審査が厳しくなる(収入の証明が難しいため、独立前に作っておくのが得策)

国民健康保険の保険料は前年の所得をもとに計算されるため、退職初年度はびっくりするほど高くなることも。ただし、減免制度や任意継続(退職前の健康保険を最長2年間継続できる制度)を使う方法もあるので、退職前に市区町村の窓口で試算してもらうのをおすすめします。

「失業保険をもらってからフリーランスになればよろしかったのに……」と思った私ですが、まあ、知らないと怖いですよね。このへんの体当たりぶりが、この本の読みどころでもあります。

実は私も、開業届を出したあとに「フリーランスは収入がある前提で見られる」ということを知ってしまい、あわてて取り下げてもらいました。

会社に守られていた「ありがたみ」を知る本

稲垣さんの本を読んで気づかされるのは、「会社に属していること」がいかに日本社会で有利に働いているかということ。

健康保険・年金・クレジット審査・賃貸契約……あらゆる場面で、会社員という肩書きが見えない盾になっていたんですよね。独立してから「そういうことか!」と身にしみる人、多いと思います。

この本は「社畜にサヨウナラ!」と背中を押すエールではなく、むしろ逆。退職の現実を正直に書いてくれているからこそ、「辞める前にちゃんと準備しよう」という気持ちになれる一冊です。

クリスマスイヴの夜、泣きそうになった話

少し話が変わります。派遣コーディネーターをしていた頃の、私自身の話です。

12月24日は毎年、チキンを揚げる仕事の依頼が入ってきます。たった1日なのに、勤務してくれるスタッフが見つからない…。毎年「来年もお願いします」と伝えても、返事はいつも「来年は無理です」でした。

それが、ある年から変わりました。

19時10分。「今、終わりました〜!」とスタッフからTEL。

「お疲れさまです。火傷とかしていませんか?」

大丈夫で〜〜す♪ あのね、来年もこの3人でしょうね!!って円陣を組んでから帰ったんです(笑)」

スタッフが円陣を組んで帰るイラスト

このひと言に、チビっと涙が出ました。

仕事帰りの車の中、山下達郎さんの「クリスマス・イブ」が流れていました。あの夜のことは、今でも覚えています。

クリスマスイヴの夜の車内からの風景

仕事を辞めたくなる理由の第1位は「人間関係」

コーディネーターの仕事をしていてわかったのは、スタッフが職場を続けられるかどうかは、技術や給料よりも「人間関係」で決まることが多いということ。

仕事を紹介して終わり、ではなく「話を聞くこと」が、次の勤務継続につながるのを何度も目にしてきました。

たった1日でも、笑って帰れる職場がある。

それが積み重なって、人間関係はできていくんじゃないかと、あの電話を受けながら思ったのです。

ちょっと一言

心が壊れているとき、人はとめどなく話したくなります。それは聞いてほしいから、当然です。でも、聞いてくれる人を疲れさせてしまうと、縁が遠くなってしまう。仕事でも友人でも、ほどほどのバランスを忘れずに。

心が折れそうなとき、読んでほしい本

あるクライアントのWeb編集を請け負っていた時期、「私、ちょっとヤバいかも」と感じる日々がありました。毎日何かにいちゃもんをつけられ、長時間の罵倒を聞かされる日々。リモートだったので「また始まった……」と思いながらスピーカーのボリュームを最小にしてやり過ごしていましたが、仕事後に毎日お地蔵様へお詣りに行っていました。今思えば、心がギリギリだったんでしょうね。

そのときこの本にも助けられました。

著者は、双子が生まれたばかりで無理をしてしまった元エリート幹部自衛官。正常に戻ってから読み返すと「そこまで感動しないな……」と思うのですが、当時は目の前に虹が現れるような感覚でした。心が限界に近いときにこそ、刺さる言葉があるものです。

人間なんて、弱っちいもんです。それでいいんだと思います。

まとめ|退職する前に、読んでおいて損なし

仕事の内容より、人間関係の質が職場の居心地を左右する。これは私自身が痛感していることです。

「魂の退社」は、退職を煽る本でも、会社員を賛美する本でもありません。退職後の現実を笑いながら正直に書いてくれている、稀有なエッセイです。40代・50代で「このままでいいのかな」とモヤっている方に、特におすすめしたい一冊。

読書が面倒だなと感じるときは、Audibleで耳から聴くのもいいですよ。

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読書のハードルを下げる方法はこちらの記事でもまとめています。

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